株式投資

eMAXISオールカントリーとS&P500はどっちが良い?【全世界vs米国】

冬野柊です。

今回は永遠の課題である全世界株と米国株、長期投資にはどちらがいいのかということについて考えていきたいと思います。

日本で投資する場合、手数料等考慮すると三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズが一番おすすめなので、今回は

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)

を具体的な比較対象として、米国と全世界どちらが良い投資対象であるのか、ということについて考えていきたいと思います。

カブ投資くん
カブ投資くん

・S&P500とオールカントリーの違いは?

・過去のパフォーマンスはどちらのほうが良い?

・結局どちらに投資するのが正解?

という問題を考えていきたいと思います。

この記事の結論

過去10年のパフォーマンスは米国株有利だが、より長い目で見ると覇権が崩れる可能性がある

長期投資、特に積み立てNISAでは全世界株推奨

S&P500とオールカントリーとは?

日本円建てで購入できる投資信託の中で、特に優良とされているのが三菱UFJ国際投信が提供しているe MAXIS Slimシリーズです。

中でも人気が高いのが米国株式(S&P500)と全世界株式(オールカントリー)になりますが、これらのどちらが良い投資対象なのか、というのはよく比較されています。

S&P500とは?

米国を代表する優良500社をかき集めた指数です。

成長を続けているアメリカの中でも、厳しい選定基準を潜り抜けた500社であり、投資対象として非常に信頼できるものが揃っています。

米国で時価総額の大きい主要500社で構成する時価総額加重平均型の株価指数。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出・公表しており、ニューヨーク証券取引所(NYSE)、NYSE American、NASDAQに上場している銘柄から選出される。1941年から1943年の平均を10とし、構成銘柄は定期的に見直される。

引用元:野村証券

構成銘柄は500社あるのですが、特に有力な銘柄が大きな割合を占めており、組み入れ比率上位10銘柄が以下の通りです。

世界一の時価総額を誇るアップルの組み入れ比率が最も高い6.5%、さらにマイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、アルファベット(グーグル)と、いわゆるGAFAMと呼ばれる米国の最大手銘柄が揃っています。

引用元:三菱UFJ国際投信

オールカントリーとは?

S&P500が米国の主要企業に投資している一方で、オールカントリーは全世界49か国が投資の対象となっています。

うち88%が先進国であり、半分以上をアメリカが占めています。そこからは日本などの先進国が続き、10%ほど新興国株が含まれています。

S&P500はアメリカ企業を集めた指数ですから米国株率100%ですが、全世界においても世界一の大国であり、好業績企業を多く抱えるアメリカの割合が大きくなっています。

引用元:三菱UFJ国際投信

ここで強調したいのは、

オールカントリーは世界の時価総額に投資しているため、世界ランキングが変動して、中国が世界最大の強国になったりするとバランスが調整されて中国の割合が最も大きくなるということです。

S&P500の場合はアメリカのみですから、アメリカの企業の中で調整されることはあっても、中国の企業が入ってくることはありません。

後ほど重要になるポイントなので押さえておいてください。

過去のパフォーマンスを比較

では、どういった違いがあるのかを踏まえた上で、過去のパフォーマンスがどうだったのか確認していきたいと思います。

以下グラフは、2008年の4月から2021年5月現在までを比較しています。

引用元:Trading View

このように、S&P500のほうが圧倒的にパフォーマンスが高いです。

過去のパフォーマンスだけを見て考えると、S&P500が正解ということになります。

アメリカがここまでパフォーマンスが良い要因は以下のことが考えられます。

・GAFAMのようなハイテク企業が急成長した10年だった。

・株式市場での競争が激しいため、企業が成長しやすい。

・ドルが世界の基軸通貨となっている。

Appleの急成長はまさにここ10年のことで、ブームの火付け役となったiPhone4が発売されたのが2010年の6月となっています。そのころからAppleをはじめGAFAが急激な成長を遂げたことでアメリカ経済は大きく発展しました。

また、アメリカは企業同士の競争が日本と比べるととても厳しいことで知られています。

例えば、上で紹介したS&P500の構成銘柄に入るためには、4半期連続の黒字決算や多くの株式が株主に取引可能な状態で公開されていること、時価総額61億米ドル以上といった厳しい基準があります。

また、株主の企業に対する目も厳しいです。例えば、配当金の増配への意識は日本よりもかなり高いため、配当金を下げるようなことがあれば非常に厳しい見方をされて売りたたかれます。日本でも減配すれば株価は下がることが多いですが、アメリカほど厳しい受け取られ方はしないのが一般的です。

そういった風土の中で、厳しい競争環境が生まれているため、企業として売り上げを上げる力、ひいては株価を上げる力が他国よりも強いと考えられます。

米国は常に勝っていたわけではない

米国が新興国に負けた時代

ここ最近の10年はアメリカの一強ともいえる状況ですが、過去は必ずしもそうではありませんでした。

下のグラフは青がS&P500に連動するSPYのグラフで、オレンジが新興国指数MSCIエマージングマーケッツに連動するEEMの指数です。

引用元:Trading View

青:S&P500

オレンジ:新興国

これを比較すると、確かに2010年ごろからはGAFAの絶好調の時代で新興国をS&P500が大幅にアウトパフォームしています。

一方で、2000年ごろのドットコムバブル崩壊から2011年までの11年において、S&P500は大きく低迷し、結果11年で-26.65%という驚異的な悪パフォーマンスをたたき出しています。

一方新興国は、324.3%と3倍以上になっています。EEMが2003年につくられたETFなので、同期間ではないですが、2000年と比べたら更に新興国のパフォーマンスは上がります。

この時代は新興国、特にBRICsと呼ばれるブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカが急成長した年で知られており、アメリカに投資するのは機会損失だと考えられていました。

今では、過去の10年のパフォーマンスが良かったことを受けて米国株が最強とする見方が強く、S&P500への集中投資が推奨される声も多いですが、

この新興国の時代の末期である2010年ごろは、アメリカに投資するのは間違い、新興国こそが正解と考えられていました。

ですが、そう考えて新興国に投資していた投資家は2010年から2021年現在に至るまで資産がほとんど増えていません。米国を信じて米国株に投資する投資家がこれからの10年で同じ末路を辿る可能性あるのではないでしょうか?

世界の時価総額推移

過去100年以上の世界の株式時価総額の国別割合の推移は以下になります。

これを見ると、米国が確かに大きな割合をしめていますが、1900年ごろはイギリスの方がアメリカより優位で、1990年ごろには日本が急成長してアメリカを追い越そうとしています。

引用元:DIAMOND HILL

こういったグラフを見て、中国が大きく伸びている現状を考慮すると、世界のコントローラーが米国でなくなる可能性も、今後30年くらい見ていくと十分あると思います。

結論

私はここまで見てきた状況を鑑みて、20年、30年と長期投資する上では全世界株式(オールカントリー)が答えだと考えています。

米国はもちろん有望な投資対象で、世界の中から投資対象を一国選ぶとすれば間違いなく米国を選びます。

しかし、過去の値動きや時価総額の推移を見てみると、常に米国一強ではない上、これまでよりもずっと変化の早いこれからの時代において、米国の覇権が20年、30年後揺るがないと信じることができないからです。

また、「現代ポートフォリオ理論」の提唱者の一人として、1990年にノーベル経済学賞を受賞したウィリアム・シャープは、「市場に存在するすべての株式を、市場に存在する割合(時価総額の加重平均)」だけ保有して、市場全体に投資することこそが答えだと提唱しています。

世界経済は右肩上がりで成長するものなので、それに丸ごと投資しておけばリスクを下げた上でパフォーマンスを高められるという考え方です。

米国株投資家の中には、インデックス投資は分散されているから低リスクと考えている人もいるかと思いますが、米国そのものがオワコンになる可能性があるので、その場合は影響をモロに受けることになります。

一方、オールカントリーでは世界の時価総額に応じてリバランスされていくので、米国がオワコンになれば米国が減らされ他の国の割合が増えていきます。

米国がオワコンになったら他国に切り替える

という選択はありなのか。米国株投資家から良く上がる主張ですが、実際のところ難しいと思います。

先程紹介したウィリアム・シャープも「株価はランダムに動き予想不可」と考えていて、現在の市場は情報が普遍化し、好材料、悪材料が出ると一瞬で市場に織り込まれるため、それに先んじて売り買いするのは不可能に近いです。

米国株がオワコンになり、中国株に乗り換えたほうがいい、となった場合、私たちのような一般投資家ができるのは、失望された米国株を安く売り、期待される中国株を高く買うということになりかねません。そうなってしまうのであれば、最初から全世界に投資して、時価総額に応じてリバランスしていく方が、低リスクで世界の支配国に乗り換えられるということになります。

積み立てNISAは特に全世界推奨

日本には積み立てニーサという制度があり、年間40万円まで、20年間の利益が非課税になるという素晴らしい制度です。

これに投資をする場合はさらに米国株より全世界株を推奨したいです。

というのも、この制度は運用期間が20年間で、20年が経過すると積み立てニーサの口座から特定口座に投資信託が移動することになります。

その際、もし購入金額よりも価格が落ちていた場合、落ちたあとの金額に対して20%の税金がかかります。

具体的に言うと、2021年に1万円分投資し、2041年に価格が落ちて5000円になってしまっていた場合、5000円が税金の基準価格になります。

ここからなんとか1万円に戻って、トントンで売ろうとしても、5000円を基準に考えられるので、利益が5000円出ているとして、そのうちの20%、1000円分を税金として取られてしまいます。

つまり、20年後確実に伸びている市場に投資すべきであって、全世界、米国どちらも有力ですが、米国株には国ごとオワコン化するリスクがあるので、NISA枠は全世界株で使った方が良いと思います。

信託報酬での比較

最後に、信託報酬でも比較しておきます。

信託報酬とは、投資信託を運用会社に運用してもらう上で支払う手数料のようなものです。

運用会社はこれにより利益を出していて、この儲けを大きくするために様々な投資信託を販売しています。

信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうための経費として、投資信託を保有している間はずっと投資家が支払い続ける費用のことです。ただし、別途支払うのではなく、信託財産の中から「純資産総額に対して何%」といった形で毎日差し引かれます。
投資信託の種類によって信託報酬は異なりますが、年0.5~2.0%程度が一般的です。

引用元:SMBC日興証券

1%程度ならと信託報酬は軽視されがちですが、運用期間が数十年にわたるとその差は積み重なってかなり大きなものになります。

信託報酬の差によるリターンの差が以下です。

最初の数年は大差ないですが、20年もたつとかなり影響を及ぼしてくるのがわかると思います。

引用元:三菱UFJ国際投信

 

さらに具体的には、年率5%で20年運用するとした場合、信託報酬0.1%の差で生まれるリターンの差は14万円にもなります。

ではeMAXIS SlimシリーズにおけるS&P500とオールカントリーの信託報酬はどうなのか見てみると、

S&P500 0.097%

オールカントリー 0.114%

となっています。

信託報酬においては、S&P500優位ですが、その差はわずか0.017%しかありません。

これは20年間の運用で信託報酬の差が2万円程度しかありませんから、信託報酬で見るとどちらでも大差ありません。

私の運用方法

私はこういった理由から、長期投資投資のポートフォリオに全世界株を多く入れていて、全世界株式7割、金ETF3割で保有しています。

金を入れる理由に関しては、

株と逆相関で価格が動くのでリスクヘッジできるという利点と、株と金でリバランスした方が株単体で持つよりもパフォーマンスが良かったためです。

以下で金投資のメリットについて解説しているのでよかったらご覧ください。

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それでは✋

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冬野柊
全世界株+金が最強タッグと信じて集中投資(全世界株7割・金3割) 0からの資産形成で30歳のFIREを目指し、会社に縛られない生き方を模索したい24歳 早稲田大学卒 外資系J&J勤務 ブログで株や仮想通貨に関する情報、投資のトレンドニュースなど書いてます。
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